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【マンション営業の実態】強引な売り込みの手口と対策を徹底解説!
マンション購入時に遭遇する可能性のある強引な営業の実態を詳しく解説しています。具体的な手口や、それが横行する業界の背景を明らかにし、さらに購入者が自身を守るための実践的な対策を提供します。法的な観点や業界の内部事情も踏まえ、読者が賢明な判断を下せるよう、包括的な情報を提供しています。マンション購入を考える方々にとって、必読の内容。
更新日: 2024.08.20
この記事でわかること
- マンション営業で使われる強引な手法の具体例と、その違法性の有無
- 不動産業界で強引な営業が横行する背景と構造的な問題点
- 強引な営業から身を守るための具体的な対策と注意点
- マンション購入時のトラブルに遭遇した際の適切な対応方法と相談先
こんな人におすすめ
- マンション購入を検討しているが、強引な営業に不安を感じている人
- 不動産営業の手口を知り、賢い購入者になりたいと考えている人
- 過去に強引な営業を経験し、次回は上手く対処したいと思っている人
目次
1. 強引なマンション営業の恐怖
「もう少し考えさせてください」
そう言ったはずだった。しかし、気がつけば夜も更けていた。モデルルームの椅子に座らされたまま、営業マンの熱心な説明は続く。帰りたいのに帰れない。こんな経験、あなたにもないだろうか。
マンション購入。人生の一大イベントだ。夢と希望に満ちた瞬間のはずが、「マンション 強引な営業 デベロッパー 売り主」という暗い影に覆われることがある。今回は、その実態に迫る。
不動産業界に10年以上身を置いてきた筆者が、表に出てこない裏側の情報も交えながら、強引な営業の手口とその対策を徹底解説する。
2. 強引な営業手法の数々:具体的な事例と違法性の有無
強引な営業手法は実に多岐にわたる。以下に代表的なものをまとめた。
手法 | 具体例 | 違法性 |
---|---|---|
違法行為ギリギリの営業トーク | 「確実に利益が出る」「値上がり必至」など断定的表現 | 宅建業法違反の可能性あり |
強引な契約 | モデルルームに長時間拘束、契約までサインさせない | 監禁罪に該当する可能性も |
執拗な電話・訪問 | 夜間早朝の電話攻勢、アポなし訪問 | 迷惑防止条例違反の可能性 |
その他 | 他社物件の誹謗中傷、強引な買取保証 | 不正競争防止法違反の可能性 |
2.1 違法行為ギリギリの営業トーク
「このマンション、絶対に値上がりします」「今買わないと損ですよ」
こんな言葉を耳にしたことはないだろうか。これらの言葉、実は宅地建物取引業法で禁止されている「断定的判断の提供」に該当する可能性が高い。
不動産の価値は、経済状況や地域の開発状況など、様々な要因で変動する。それを「確実」と断言することは、顧客を誤認させる行為だ。しかし、多くの営業マンは、この境界線すれすれのところで営業トークを繰り広げる。
2.2 強引な契約:モデルルーム監禁の実態
「もう帰りたい」そう思っても帰れない。これが「モデルルーム監禁」と呼ばれる手法だ。
長時間にわたる説明、執拗な勧誘。トイレに行くのも許されないケースもある。極端な場合、これは監禁罪に該当する可能性すらある。
筆者の知人の体験では、午前中に来店し、気づけば夜の9時。12時間近くモデルルームに拘束されていたという。
2.3 執拗な電話・訪問:プライバシーの侵害
一度名前と連絡先を聞かれたら最後。朝から晩まで、休日返上で電話がかかってくる。断っても、別の営業マンから電話がかかってくる。
さらに厄介なのが、アポイントメントなしの突然の自宅訪問だ。「たまたま近くに来たので」と言いながら、長時間居座られることも。
これらの行為は、迷惑防止条例に抵触する可能性がある。しかし、グレーゾンであることを利用して、多くの会社がこの手法を採用している。
2.4 その他の手法:誹謗中傷から買取保証まで
- 他社物件の誹謗中傷:「あそこの会社は倒産しそうだ」「あの物件は地盤が悪い」など、根拠のない中傷を行う。
- 強引な買取保証:「将来、買い取りますから」と言って契約を迫る。しかし、実際に買い取られるケースは稀だ。
- ハウスクリーニングを口実にした囲い込み:無料のハウスクリーニングを餌に顧客情報を収集し、その後執拗に営業を行う。
これらの手法は、不正競争防止法や特定商取引法に抵触する可能性がある。
3. なぜ強引な営業はなくならないのか?その背景を探る
強引な営業が横行する背景には、複雑な要因が絡み合っている。
3.1 厳しいノルマと歩合制:数字に追われる営業マンの実態
デベロッパーや不動産会社の多くは、厳しいノルマ制度を敷いている。「月に3件」「四半期で10件」など、具体的な数字が設定されることが多い。
加えて歩合制を採用している会社も多い。基本給が低く設定され、売上に応じて報酬が大きく変動する仕組みだ。
この環境下で、営業マンは否が応でも成績を上げざるを得ない。「今月のノルマが達成できないと、来月の生活ができない」そんな切実な状況に追い込まれているのだ。
結果、顧客の利益よりも自身の売上を優先する風潮が生まれる。これが強引な営業の温床となっている。
3.2 不動産業界特有の体質:旧態依然とした企業文化
不動産業界には、いまだに「体育会系」的な雰囲気が根強く残っている。「根性」や「精神力」が重視され、顧客への配慮や倫理観が二の次になりがちだ。
新人教育においても、「とにかく売れ」「契約を取れ」といった短絡的な指導が行われることが多い。顧客の立場に立って考える、というような視点が欠如しているのだ。
また、多くの会社で「営業は芸術だ」という考え方が根強い。つまり、マニュアル化やシステム化が難しい、個人の力量に依存する仕事だと考えられているのだ。この考え方が、強引な営業を「個性」として容認してしまう風潮を生んでいる。
3.3 顧客との情報格差:レモン市場の罠
不動産取引には専門知識が必要だ。物件の価値、将来性、法律上の制約など、一般の顧客にはわかりにくい情報が多数存在する。
この状況は、経済学でいう「情報の非対称性」の典型例だ。売り手(不動産会社)は豊富な情報を持っているが、買い手(顧客)は限られた情報しか持っていない。
この情報格差を利用して、悪質な営業が行われることがある。例えば、物件の欠点を隠したり、過度に良い面だけを強調したりするのだ。
注:この状況は経済学でいう「レモン市場」に似ている。情報の非対称性によって、市場の質が低下する現象だ。ただし、この概念はソースに含まれておらず、筆者の解釈による。
実際、筆者が営業マンだった頃、「この情報は顧客に言わなくていい」と上司から指示されたことがある。倫理的に問題があると感じつつも、従わざるを得なかった経験は今でも忘れられない。
4. 強引な営業から身を守るための具体的な対策
では、こうした強引な営業から身を守るにはどうすればいいのか。具体的な対策を見ていこう。
4.1 事前の情報収集:知識は最大の防御
-
行政処分情報の確認
国土交通省のウェブサイトで、行政処分を受けた業者の情報を確認できる。過去に処分を受けた会社は要注意だ。 -
口コミのチェック
各種口コミサイトやGoogleマップのレビューをチェック。ただし、サクラの可能性もあるので、複数のソースを確認することが重要。 -
複数社の比較
一社だけでなく、最低でも3社は比較検討する。同じ物件でも、会社によって説明の仕方や価格が異なることがある。 -
不動産業界のニュースをチェック
業界紙やニュースサイトをチェックし、最新の動向を把握する。優良企業の情報や、トラブル事例なども参考になる。
4.2 営業マンとの接し方:冷静さが鍵
-
冷静さを保つ
営業マンのペースに乗せられないよう、自分のペースを保つ。感情的にならず、冷静に判断することが重要。 -
疑問点は納得いくまで質問
曖昧な返答や、質問をはぐらかす態度は要注意。具体的な数字や根拠を求めよう。 -
きっぱり断る勇気を持つ
「考えておきます」では、しつこい営業を招く可能性がある。必要なら、はっきりと断ることも大切。 -
第三者の同伴
可能であれば、家族や信頼できる友人を同伴する。客観的な視点が得られ、冷静な判断につながる。
4.3 契約時の注意点:細部にこだわれ
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契約内容の精査
特に専属専任媒介契約、専任媒介契約の場合は要注意。解除条件をしっかり確認する。 -
特約条項の追加
一定期間後に無条件で解約できる特約条項を入れるよう要求する。多くの場合、交渉次第で追加可能だ。 -
クーリングオフ制度の確認
訪問販売や電話勧誘販売の場合、クーリングオフが適用される可能性がある。その条件と手続きを確認しておこう。 -
重要事項説明書の確認
物件の瑕疵や周辺環境の情報など、重要な情報が記載されている。しっかり目を通すことが重要だ。
Q: 「専属専任媒介契約」って何?
A: 売り主が他の不動産会社に依頼できない、自分で売却活動もできない厳しい契約。通常の専任媒介契約よりもさらに制限が厳しい。慎重に検討すべきだ。
4.4 トラブル時の対応:泣き寝入りは絶対NG
万が一、強引な営業や不適切な対応にあった場合、以下の機関に相談することができる。
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国民生活センター
消費者トラブル全般の相談窓口。専門のアドバイザーが対応してくれる。 -
各都道府県の不動産適正取引推進機構
不動産取引に特化した相談窓口。業界の専門家がアドバイスしてくれる。 -
弁護士相談
深刻なトラブルの場合は、早めに弁護士に相談するのが賢明だ。初回相談が無料の事務所も多い。
5. まとめ:賢くマンションを購入するために
強引な営業は、マンション購入における大きな障害だ。しかし、正しい知識と冷静な判断があれば、十分に対処可能だ。
- 事前の情報収集を怠らない
- 複数の会社を比較検討する
- 契約内容をしっかり確認する
- 疑問点は納得いくまで質問する
- 断る勇気を持つ
- トラブル時は専門家に相談する
これらを心がければ、強引な営業に惑わされることなく、理想のマンションを見つけられるはずだ。
マンション購入は人生の一大イベント。焦らず、慎重に。そして何より、自分の意思を大切に。素晴らしい住まいとの出会いが、あなたを待っている。
最後に、すべての不動産会社や営業マンが悪質というわけではない。誠実に顧客と向き合い、適切なアドバイスを提供する素晴らしい専門家も多数存在する。そういった良質な専門家と出会えることを、心から願っている。
※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の状況については、専門家にご相談ください。
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